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朝里駅 〜どこか、ひと昔前の風情漂う小さな駅〜

JR函館本線・朝里(あさり)は、
小樽駅から札幌方面に向かって3つめ、
小樽市街の中心からやや離れた
海沿いにたたずむ駅です。

朝里の国道沿いには昨今、
大型のスーパーや量販店などが並んでいますが、
鉄道の駅があるのはそこから離れ、
坂道をずっと下ったところ。
地形的には海岸段丘の下段に位置し、
駅周辺にある人家はわずかです。

市街地から切り離されたような場所にある
駅のまわりはまったく静かで、
どこかひなびた風情が漂っています。
駅前から海岸までわずかに数10メートル。
初夏の季節、潮の香りがさわやかです。

一帯の海岸はかつて鰊漁場で、
昭和20年代前半までは
番屋が10数棟並んでいたそうです。
春になると、そこで働きに来る若い衆たち
(俗に「ヤン衆」といわれますが、漁場でその言葉は決して使われなかった)
大勢、朝里駅に降り立ったらしい。
また獲れた鰊は貨車で発送し、
漁業と鉄道との関わりは強かったといいます。


かつての“国鉄時代”を感じさせる
古風なたたずまいが、いいなあ。

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海が本当に近い。
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跨線橋のある駅の造りも、
何だかなつかしい感じ。
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ちなみにこの朝里駅、
今は無人駅なのです!(でもKitacaは使えます)
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昭和初期あたりの写真によく見られる、
クラシカルなパナマ帽を被った紳士。
立ち姿が決まってます。
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駅員はいなくても駅の手入れは行き届き、
花壇がきれいに整備されています。
昭和57年4月の新聞に「ホームの花々も有名、
栽培二十年の伝統を誇り……」との記事がありますから、
今ではその「伝統」は50年を超えることになります。
記事には駅員がスコップで
花壇の手入れをする様子を伝える写真が載っていますが、
無人駅となった今では、
近隣の人がその役を引き受けてくれているようです。
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駅周辺に住宅は少なく、
利用者の多くは国道方面からの
長い坂道を通って来ます。
メインとなる道路のほか、
住宅地へショートカットする小径もあります。
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細い、山道のような通路ですが、
ここを通る人は少なくない様子です。
どこかなつかし、朝里駅。










by wilderness-otaru | 2013-06-10 00:20 | 鉄道 | Comments(0)
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