蒸気機関車を象徴する部品といえば
「動輪」でしょう。
機関車が廃車になった後、 その名残をとどめるモニュメントとして 動輪が飾られるケースは、 各地にあります。有名なところでは 東京駅のコンコースにあるのもそのひとつです。 小樽にある動輪のモニュメントは、 3ヵ所です(博物館の展示品は除いて)。 ▲まずはこれ、手宮小学校の敷地内にある動輪。 校庭にこんな鉄道ゆかりの品が置かれるのは、 北海道の鉄道発祥の地である 手宮ならでは、といえそうです。 片側の動輪だけがコンクリートの台の上に 斜めに据え付けられている、 モニュメントとしてはちょっと変わったタイプ。 C57 194のナンバープレートが付けられていますから、 動輪も同じ機関車のものとみるのが自然でしょう。 まあ写真のようにモニュメントというよりは、 子どもたちの遊び場という感じですけど、 これはこれで有効に活かされているのかな……と。 近くには二宮金次郎の像もあります。 そうそう、小樽の小学校にある 二宮金次郎の像もなかなかおもしろいテーマです。 今度、あらためてブログに載せます。 さて次がこれ。 ▲同じ手宮地区でも、小樽市総合博物館の 手宮口付近にあるモニュメントです。 博物館の前身にあたる〈小樽交通記念館〉が 開館する前に置かれたもののようですが、 傍らには意味のわかんない手の像があり、 動輪の一部を切り欠いてベルみたいなものを付けるという、 余計な手が加わっています。 学術的なものを展示する博物館にはそぐわないため、 館外に置かれているらしい。当然ですね。 そして3つめがこれ。 ▲モニュメントとしては最も立派で、 かつ小樽に相応しいものです。 小樽築港機関区に所属し、 蒸気機関車末期の時代まで 函館本線の通称「山線」を走って 絶大な人気を集めた超大型機、 C62の動輪。 台座にはC62 2のナンバープレートと、 その除煙板に付けられていた ツバメのエンブレムが飾られています (ただしこれらはレプリカのようで、動輪をよく見たら タイヤ部分にC62 44の刻印がありました)。 ところでこのモニュメントがどこにあるのか……。 小樽市民でも知っている人はほとんどいないと思います。 置かれているのは意外にも小樽駅の構内。 駅舎の札幌寄りにあり、 列車の中からもちらりと見ることができます。 写真では後方にプラットフォームと 電車がわずかに見えてます。 しかし設置されているのは職員専用の駐車場の一角で、 関係者以外は立ち入り禁止の場所です。 どうりで知られていないわけだ。 (え? じゃあこの写真はどうやって撮ったんだろう……) このモニュメント、もともとはC62が在籍していた 小樽築港機関区の構内にありました。 しかし機関区が廃止され、行き場を失って、 いつの間にか小樽駅に移されたようです。 せっかくだから東京駅のように 駅のコンコースに飾ればいいのに、 こんな場所にひっそりと置いたのには 何らかの事情があるのでしょう。 しかしかつて花形だった機関車のモニュメントとしては、 随分かわいそうな扱いだと思います。 いつかこの動輪を、 もっといい場所に移せたらいいんだけど……。
by wilderness-otaru
| 2013-09-26 23:12
| 小樽散歩
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