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「住ノ江の薄い家」についてのまとめ【3】

住ノ江・旧石橋家別邸洋館に関し、
前回までかなり長い記事を書いてきましたが、
今度は洋館内部の様子を、
写真とともに記します。

洋館への出入りは、建物裏手(海側)の園庭側から。
山側、市道に面した入り口は現在、
使われていません。

なお内部は現在、物置のようで、
けっこう散らかっています。
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▲2階へ上がる階段。

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▲右手に見える扉が、市道側の入り口です。
4段の階段を上がったところが2階フロアですが、
市道側から入るとここが1階、下は地下室という感じ。
傾斜地に合わせた造りです。

2階の北側が書斎。
建物内で、メインとなる部屋です。
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今は物が散らかっていますが、
白い漆喰塗りの高い天井で、
気品の漂う空間であったことが
察せられます。

浄暁寺の先代ご住職(故人)は仏教史の研究家で、
浄土真宗の開祖である親鸞聖人に関する本など、
いくつもの著作を残した方です。

この部屋が執筆の場だったそうです。
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▲ドアのガラス、細かな装飾など、
手の込んだ造りです。

なおこの2階で南側、建物の薄い部分には
「読書室」とされる小部屋があります。
(下の写真で、緑色の窓が付いている壁の向こう側。)
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3階へ。
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階段は狭くてかなり急傾斜。
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上がったところ、3階は書庫です。
このフロアはもともと、
屋根裏部屋のような空間だったそうで
それをリフォームして今のような
設えにしたのだそう。

2階の書斎と比べると天井は低くて、
180cm足らず、内装も質素です。
多数の蔵書を収蔵するスペースが
必要になったのでしょうか。
ざっと拝見したところでも、
蔵書は仏教関係に限らず多種多様でした。

外から見て、屋根をくり抜いたような窓が作られたのは、
このリフォームによるものなのかも。
工事をいつ行ったのかは聞き忘れましたが、
窓にアルミサッシが使われているから、
昭和40年代、だろうか……。

前々回の記事 では昭和50年代初頭の
建物の外観写真を載せましたが、
そこにはすでにこの3階の窓があります。
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▲そしてこちらが3階の南側、
建物の奥行きが薄い部分。
なるほど、これは薄い。
両手を拡げてみたところ、
両側の壁の間隔は170cmあまりと思われます。

以上、洋館内部をざっと紹介しました。
まとめると地階はおもに物置スペース、
3階は屋根裏部屋改装の書庫。
落ち着いて過ごせる書斎は2階の1部屋だけ、と
ある意味ではぜいたくな造りといえます。

建て主である石橋家の人々が、
どのような意図・目的でこの建物を建てたのか
知るよしもありません。

後年に洋館を含む屋敷を取得した
先代のご住職にとって、この建物が、
執筆活動のための書斎・書庫として
大事な場所であったことは確かです。

石橋家邸宅の母屋(本邸)は
昭和61年に解体されますが、
この別邸洋館があえて残されたのは、
それだけ有用な建物だったということだと
想像します。


★洋館内部は特別な許可をいただいて撮影しました。
 館内の一般公開はされていません。






by wilderness-otaru | 2017-12-29 16:59 | 小樽散歩 | Comments(2)
Commented by 小梅太郎 at 2017-12-31 11:06 x
「住ノ江の薄い家」の3連続記事、食い入るように読んでしまいました(笑)
実際に入ると狭いのでしょうが、写真で見ると、狭いながらも有効に使われている印象でした。
今まで、中はどうなっているんだろうと興味津々だったのですが、内部を拝見できてとてもすっきりしました。
ブログに公開していただき、どうもありがとうございます。
また、来年も色々と小樽の発見を楽しみにしています。
良いお年をお迎えください。
Commented by wilderness-otaru at 2018-01-02 12:27
小梅さん、今年もよろしくお願いします。
長文の投稿、読んで頂きありがとうございました。
かなりマニアックな内容でしたが、まあ、わかる人にはわかるかな、という感じで……。
いろいろと謎が解けて良かったです。
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