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残雪の候、手宮富士に登る

小樽市街の北側にある小高い山。
中心部と手宮地区との境にあることから
「手宮富士」と通称されます。
また岩がちな山であることから「石山」とも呼ばれ、
それが町名にもなっています。
また山の東側では地主の名から「荒巻山」とも。
(この荒巻家はSF作家として高名な荒巻義雄氏の生家でもあります)

と、通称はいくつかありますが、
国土地理院の地形図に名前は記されていなく、
公的な呼称はない、ということになります。
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名前はともあれ、市街中心のすぐ近くで、
展望はすこぶるいいです。
山頂からは南側、小樽駅方面、北側の長橋、赤岩方面と
どちらも広く見渡せます。

この日は有志(?)の集まりで、計8人。
雪解けの早いこの春ですが、ちょうど前日までに降雪があり、
数cmながら積もって雪景色となりました。
出発後、石山中学の跡地を通って登ります。
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この日のメンバーは全員小樽在住ですが、
それでもこの円形校舎を初めて見る人もいました。
道路から奥まった場所にあるため、
存在があまり知られていません。
珍しい“メガネ型”の建物に見入ります。

何か活用できればいいんだけどね〜
と話はいろいろ弾みます。
しかし建物は昭和31年の稲穂大火後、わずか1年半で即製され、
そこからすでに60年。荒廃が進むうえ、
耐震強度が保たれないという大きな弱点があるため、
残念ながら再利用は現実的でありません。
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登るにつれ、視界はどんどん広がります。
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雪解けが早いので、すでにササが立ち上がり、
けっこう歩きづらい箇所が多かった。


頂上に到着。
山頂部は意外に複雑な地形で、
大きく谷間がえぐるような姿です。
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ちょうど雪が降ったあとなので、
いい具合の雪景色となりました。
数日前だったら街並みに白色はほとんどなく
まったく違った眺めだったはず。

みんな地元民だから、あそこに見えるのが
何だかんだ、あーだーこーだと言いつつ盛り上がるのも
また楽し。
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山頂には三角点もあります。
ただし標石はあるものの、現在は使われていなく、
地形図に載っていません。
いつまであったのかはわかりませんが、
昭和61年の地形図を見たら、一等三角点として
146.5mの標高が記されていました。
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ちょうど塩谷方面から下り列車がやってきた。
“鉄っちゃんポイント”としても、いいかも。
(実際、『SLニセコ』が走っていたときに、中腹まで登ったことあります。
雪の時期ではないのでヤブ漕ぎで、めっちゃ大変だった……)

……という具合に軽い登山でいい眺めを楽しみました。
市街地の展望地としてはすばらしいポイントなのだけど、
今では山全体がヤブに覆われ、積雪期以外に登るのは
ほとんど不可能です。
今シーズンは今日が最後かな。

ヤブを苅って道を開けば通年登れるのだけど、
できないものだろうか……。









by wilderness-otaru | 2019-03-24 13:03 | 小樽散歩 | Comments(0)
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