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道外遠征 北陸の旅【10】 海上から「蝦夷地」を見る

前回「最終章」と書いたのに、まだあんの!?
あるんです。

新潟を午後11時過ぎのフェリーに乗りましたが、
これは秋田経由の苫小牧行き。
連休の繁忙期、予約するのが遅くて
小樽行きが取れなかったのです。
小樽港から10分のところに住んでいるのに、
なんで苫小牧に……と悔やみました。

しかしこの船旅は実に快適でした。
新潟→小樽の便は早朝4時に着くのに対し、
新潟→苫小牧は朝7時前に秋田に入港、
1時間あまり停泊したのち、
苫小牧に向かうスケジュールです。
苫小牧着は17:20なので、
秋田出航後は日中、東北沿岸の風景をまぢかに望み、
北へと進む様子が船内からはっきり見られます。

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これは秋田出港後まもなくすれ違う、
南行きの便。
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青森県沖を航行中。
岩木山の姿がくっきりと望まれます。

岸から比較的近いところを進むので、
ケータイの電波もばっちりです。
(船内にwifiもあるけど使い勝手は今イチだった……)
位置情報を見ながら、国土地理院のサイトを開き、
風景を地形図と照らし合わせられるのが楽しいです。
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津軽海峡に入っていく。
右に北海道・白神岬、左に下北半島が見えています。
この海の底を、トンネルが通っているのが信じ難い感じ。
今、見ている海の下を、ちょうど新幹線が
走り抜けているのかもしれない。

今回の旅の大きな目的は北前船にまつわる
史蹟を訪ねることでした。

日本海岸を北上した北前船の船員たちも、きっと
ここに来て遠めがねを覗きながら
「おお蝦夷地が見えたぞお〜!」と叫んだのかも……と想像します。
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函館沖を通過中。小さく見える船は函館港に向かう
青函フェリーだろうか。
函館山のある半島地形がよくわかります。
背後には駒ヶ岳。
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恵山沖を通過。
津軽海峡は船の往来が多いです。
吹く風が冷たくなり、「北海道に帰ってきた!」という感じがひしひし。

という具合で天気にも恵まれ、
海上からの風景を堪能できる船旅でした。

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午後5時過ぎ、苫小牧東港に入港。
陸地を掘り下げて造った港で、
平坦な砂浜の中に、でっかいフェリーがゆっくりと進んで行くのが
フシギな光景です。

苫小牧からわが家までは、約1時間。

これで北陸の旅レポは終わりです。

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by wilderness-otaru | 2019-05-27 12:36 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【9】最終章 新潟港へ帰る

黒部峡谷、トロッコ鉄道を楽しんだあとは、
一路、新潟港へ走ります。
フェリーは23時05分の出港なので時間があります。

途中、立ち寄ったのは……

新潟県糸魚川市の能生(のう)海岸。
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弁天岩に架けられた鯉のぼりが勇壮でした。

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やがて日没が近付きます。
空はずっと晴れていて、夕陽が期待されます。

ちょうど日没を迎えたのは、青海川駅のあたり。
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知らなかったのだけど
「日本一、海に近い駅」というキャッチフレーズもあるらしく、
鉄道ファンらしき人が何人か来ていました。

こんなところにちょうど、きれいな夕陽のタイミングで
通りかかるとは何という幸運。
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旅の締めくくりに相応しい夕陽でした。






by wilderness-otaru | 2019-05-24 23:12 | 北海道外のこと | Comments(2)

道外遠征 北陸の旅【8】黒部峡谷鉄道に乗る

北陸の旅もようやく最終日。
スタート以来ほぼ海沿いに巡ってきましたが、
ここで初めて山に入ります。
目指したのは宇奈月、黒部峡谷鉄道。

宇奈月から欅平まで約20km、
もとは黒部川流域の水力発電を目的にした
ダム建設のため、戦前に造られた軽便規格の鉄道で、
現在は観光用にも利用されて人気があります。
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小さいけれど武骨で力のありそうな機関車。
どの列車も重連の運用です。
鉄道の通称は「黒部峡谷トロッコ電車」となっていますが、
実のところ電車ではなく、すべて機関車牽引の列車です。

なにしろ10連休、人気の観光地なので
混雑を予想し、始発に間に合うように行きました。
が、早い時間帯の列車はそんなに混んではいなかった。
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7:57の列車で出発。
小さい客車とはいえ13両の長い編成です。
開放的な車内からは湖、峡谷、狭いトンネルと
変化に富んだ風景が続きます。

それにしてもこんなところによく線路を敷いたな、と
感心するばかりの険しい地形です。
ナローゲージの鉄道って馴染みがありませんが、
普通の鉄道の感覚だと「こんなとこ曲がれるの!?」と
思うような急カーブも、力強く進んでいくのが頼もしい。
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終着・欅平のひとつ手前にある鐘釣駅で降ります。
朝のうちは雨もパラつく天気だったのが、
列車に乗っているあいだにみるみる好転し、
ここではすっきりと青空が!
やっぱり日頃の行いは大事ですね(笑)

駅から急な階段を下ると黒部川の川原に降りられます。
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川原には温泉が湧いていて、けっこうな熱さです。
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帰路の車内から。
川向こうに見える建物は「とちの湯温泉」。
あとで入りに行きました。

宇奈月に戻ってから街なかを歩いてみました。

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観光地っぽいにぎわいがあり、
富山地方鉄道の“昭和的”な電車もいい感じ。

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温泉街のはずれ、山彦橋は列車を撮るのに
格好のスポットです。

谷を跨ぐ大きなアーチ橋は2本あります。
峡谷鉄道開通当初、大正12年にできた「山彦橋」と
昭和61年完成の「新山彦橋」です。
鉄道のルートが一部切替となり、
古い方の橋は現在、歩行者用の遊歩道として使われています。
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その後、先ほど列車から見えた
「とちの湯」に入りに行きます。
熱めのお湯で、施設はまだ新しいようで清潔、
温泉付近から見る景色もすばらしかった!
(露天風呂からもほぼ同じ景色が見られます)
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まるでスイスだ。(行ったことないけど……)

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湖畔に見えるのは〈新柳河原発電所〉。
ヨーロッパのお城のよう、といわれる建物です。
どこを見ても景色がいいし、
列車はけっこうひんぱんに来るので、
思わず撮り鉄になってしまいます。
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新旧2本の山彦橋。
プォ〜ンという機関車の警笛と、
ガラガラという走行音が谷間に響き
風情があります。

峡谷鉄道と宇奈月温泉、いいところでした。











by wilderness-otaru | 2019-05-22 11:44 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【7】富山市・岩瀬の街並み。令和の初日に。

能登をあとにして富山市へ。
向かったのは岩瀬です。
神通川右岸の河口に位置するこの町は
北前船の時代、回船問屋が並んで賑わったところ。

明治6年に大火があり建物の多くが焼失するも、
北前船全盛の時代とあって再建は早く、
その後の明治期に建てられた家屋のいくつかが
今なお健在。古風な街並み景観をつくっています。

建物が公開されているのは回船問屋・森家の屋敷。
まずはここを訪ねます。
今朝は小雨がぱらつく天気。
日にちは5月1日、令和の初日です。
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建物内にはさまざまな家具・調度品のほか
船絵馬、棟方志功の作品、吉田初三郎の鳥瞰図など
お宝が多数。ガイドのおばちゃまが軽妙な語りで
詳しく説明してくれます。

「どちらから?」と聞かれ「小樽から」と答えたら、
とても驚き、かつ喜ばれました。
他の見学施設でも、すべてそうでした。
こういうところにいる人なら、小樽との繋がりの深さは、
もちろんよ〜く知っています。

奥の土蔵は調度品の展示室となっています。
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分厚い扉に施された鏝(こて)絵が見ものです。
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岩瀬の街並みをあとにして、
富山市街の中心部にある日枝神社へお参りに。
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先述のとおり、この日は令和元年の初日です。
御朱印をいただきました。
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御朱印をいただくのは今回の旅が初めてです。
闇雲に御朱印集めをするつもりはないけれど、
今後、訪れた旅先で参拝する機会があったら
いただいておこうと。
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前日は能登・羽咋の氣多大社にお参りしたので、
平成と令和が並びました。

それにしても昨今、御朱印がそんなブームになっているとは
知りませんでした。
知ったのはこのあと、令和初日の御朱印をめぐって
各地の有名神社で起きた、さまざまな騒動のニュースを通じてです。
長蛇の列ができたとか、御朱印が転売されたとか……。

ここ日枝神社では5月1日にも御朱印を受ける人は数人で、
いたって静かでした。
いい記念になりました。








by wilderness-otaru | 2019-05-21 10:33 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【6】 能登・福浦〜天領黒島

金沢をあとにして能登へと向かいます。
半島の西海岸を北上しますが、
ここで楽しみなのが〈なぎさドライブウェイ〉。
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羽咋市の日本海に面した長い砂浜で、
砂が固く締まっているため
クルマで走れるという場所です。

長さは約8km。
(と、観光ガイドなどに書かれていますが、google mapで南北の入口間を測ったところでは6.2kmでした)
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走ってみるとなるほど、潜りも滑りもしなく、
まったく危なげないどころか、でこぼこもないので
非常に走りやすく、乗り心地もすごぶるいい。
全国の主要道路はすべて、ここの砂にしてもらいたい……
などと思ったくらいで。


その後は羽咋にある、能登を代表する神社、
氣多(けた)大社でお参り。
カヤックのために「海上安全」のお札をいただきました。

お授け所では「海上安全でいいですか?」と念を押されました(笑)
たしかに、あまり一般的ではないよね……。
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巫女さんの赤いゴムブーツ姿がキュートな感じ。
朝まで雨が降っていたから。

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羽咋の北、志賀(しか)町・福浦(ふくら)で訪ねたのは、
灯台の傍らにたたずむ「腰巻地蔵」。
福浦は北前船の寄港地として栄えた港で、
船宿や遊郭があったらしい。

そこで船乗りとしばしの恋仲になった遊女は
村はずれにあるこの地蔵に、人目を忍んで腰巻をかぶせたのだそう。
本来は海の安全を祈るべき地蔵に、不浄の腰巻を掛ければ、
地蔵の怒りで海は荒れる。
そうすれば船は出られずに、船乗りとしばらく一緒にいられる……。
そんな微笑ましいような、悲しいような言い伝えが
この地蔵には残っています。

※この話は高田宏氏の名著『日本海繁盛記』に書かれています。

今の福浦は、静かな漁村のたたずまい。
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福浦は向きの異なる2つの入江が
陸地に深く切れ込んだ地形をしています。
そのため、どんな風向きでも、どちらかの湾には
難なく入ることができた……とは、これも
『日本海繁盛記』で読んだ記述です。
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さらに北上して輪島市に入ります。
黒崎地区は、輪島塗りや朝市で知られる
市街の中心部からは遠く離れていますが、
かつては多くの北前船主が暮らし、
幕府の天領となっていた町です。

〈天領北前船資料館〉のほか回船問屋
角海(かどみ)家の豪壮な屋敷があり、
併せて見学することができます。
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見応えがあったのは屋敷の方でした。
居室と離れて食品などの蔵が並びます。
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これも敷地内。ひんぱんに増改築が行われるため、
大工さん専用の倉庫もあったんだって!
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一方の資料館でひときわ目を引くのが
お祭りで使われる山車(やま)
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歴史上の人物をモチーフにした豪華な造りです。
ひと目見て驚いたのは、江差・姥神神社の祭りの山車に
そっくりだったこと。
どちらも京都・祇園の祭りに近いと思われ、
この「繋がり」は実に感動的な驚きでした。

資料館には2基の山車が展示……というか“収納”でもある……されていて
建物自体がそれに合わせ、高さのある造りになっていました。

実に中身の濃い見学を堪能したあとは、
街を歩いてみます。
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黒瓦、下見板張り、格子戸という統一感のある街並みは
まるで時代劇のセットのよう。
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一般的な旅行ガイドブックではほとんどふれられていませんが、
天領黒島、すばらしいところでした。








by wilderness-otaru | 2019-05-20 10:26 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【5】加賀市から金沢へ

北陸の旅レポをアップロードし始めて、はや4日目。
そろそろ小樽ネタに戻りたいのだけれど、
なかなか終わりません。
せっせと書きます。

塩屋、瀬越、橋立と北前船主ゆかりの地を訪れた翌日、
加賀市・大聖寺市街にある〈九谷焼美術館〉を訪れました。
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展示されている作品は古典から現代アートまで、多彩です。
どういうものが九谷焼なのか、わからなくなるくらい。
蘊蓄はさておき、多種多様な焼き物は見応えがありました。

建物も非常にスタイリッシュです。
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2階のカフェでひとやすみしましたが、
器も洒落ています。
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傘立てひとつ見ても……。

その後、金沢市内へ移動。
久しぶりの大都会、という感じです。

金沢は滞在時間も短いので、
下調べはあまりしていませんでした。
街の中心部をぶらつきながら、目を惹かれたのがこれ。
尾山神社です。
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一見して神社とは思えないインパクトある外観に、
吸い寄せられるように境内へ。
ユニークな建物は「神門」で、
社殿そのものは伝統的、オーソドックスな造りです。
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このあと金沢城址、兼六園などポピュラーな
観光ルートをたどりました。
最後に寄ったのは、にし茶屋街と寺町。
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▲“京都的”風情ある街並み。
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▲こちらは寺町、妙立寺の裏側。
おもて側の看板に“忍者寺”とありました。
あとで調べたら、忍者とは無関係だが
建物に忍者屋敷のような仕掛けがあるらしい。
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金沢市内では半日を過ごし、さらに先へ。
明日は能登半島に進むつもり。

ブログもペースを上げて進めますよ(笑)








by wilderness-otaru | 2019-05-19 22:22 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【4】北前船主の村、橋立 

瀬越をあとにして、もうひとつの北前船主の村、橋立へ。
ここにある〈加賀市 北前船の里資料館〉を訪ねるのが、
今回の旅の大事な目的のひとつでした。
加賀の旧船主村では、ほぼ唯一の見学施設です。
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資料館は北前船主のひとりである
酒谷長兵衛の屋敷を利用したもの。
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太い梁が豪勢な感じですが、さらに漆を
何回も塗り重ねた贅沢な造りです。
立派な屋敷ですが、それでも酒谷家は
橋立の北前船主のなかで中の上クラスだったらしい。
では最上クラスは、いったいどんなものか……。

資料館の敷地内には土蔵が6棟もあり、
その中で多数の船絵馬、回船問屋や温泉宿などの
引札(広告チラシのようなもの)が展示されていました。

見応えある資料館でしたが、赤瓦の目立つ
街並み全体も、いい風情があります。
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こちら〈蔵六園〉も北前船主の屋敷で、
特に庭園が見ものらしい……が、
この日はお休みでした。連休中なのに残念。
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屋敷町のなかで注目したいのは
笏谷石(しゃくだにいし)の石垣です。
石垣の表面に薄い石材を張った造りで、
よく見ると鉄の金具で打ち止められているのが
わかります。
笏谷石は濡れると青味を帯びた
独特の美しい色合いが出るのだといいます。

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古色漂う橋立の町を歩くのは、実に楽しい時間でした。
それにしても……と思うのは、なぜこの地が
多くの北前船主を輩出し、日本有数の大富豪を
生み出すまでになったのか。
橋立、塩屋、瀬越、いずれも海に近いとはいえ
大きな港があるわけでもありません。

北前船に関して平易に解説した文章は多数あり、
大坂から瀬戸内海経由で蝦夷地までを往復したこと、
単なる運搬船ではなく、途中で商いを続けたこと、
航海は1年に1度だけだったこと……
などが説明されます。

しかし、北陸地方から多くの船主が生まれた理由に
ふれているものはあまり見かけません。
ごく簡単にいえば
⑴北陸の海沿いに住む人々が、船の扱いに慣れていることから
年貢米を海路で運ぶ役目を担い始めた。
⑵蝦夷地で交易を行っていた近江商人たちが、北陸の船主たちに
蝦夷地往復の荷運びを依頼するようになった
⑶そこから船主たちは蝦夷地への航海とそこでの商いを学び、
独自に船を使った商いをするようになった
……ということだと思います。

船主村となった地域は平地が乏しいため農業に適さず、
海に出て稼ぐしかなかった……といった説明も
どこかで目にしました。
でもそんな場所、他にいくらでもあるよね……。

ある程度の知識は仕入れたつもりでも
「なぜ加賀、特にこの3つの村が……?」
という素朴な疑問は簡単に解決しません。
現地を訪れて小さな集落の様子を目の当たりにし、
釈然としない思いは、むしろ強まったくらい。
静かな漁村と、“船主村”との分かれ目は何だったのか……。

しかしそういう"よくわからない"部分がまた、
北前船の歴史を探るうえでの奥深さになっている
のかもしれません。

旅はまだまだ続きます。








by wilderness-otaru | 2019-05-18 00:44 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【3】いざ加賀へ。北前船主の村を訪ねる

福井から石川県に入りました。
県境近くを流れる大聖寺側の河口近くにある
塩屋と瀬越(せごえ)は、ともに北前船主の村として
知られたところです。
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▲大聖寺川の河口、塩屋の海岸。
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▲遠くの雪山は白山だろうか。

塩屋の町はいたって静かで、
海岸に釣り人の姿がわずかにあっただけでした。
北前船に関する史蹟や見どころは、何もありません。

1kmあまり上流側、瀬越に行ってみます。
ここでまず訪れたのが「竹の浦館」という施設。
昭和5年に建てられた旧「瀬越小学校」の建物を再生し、
今は地域のコミュニティスペースとして使われています。
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遅咲きの桜がきれいでした。
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角谷家、四方(よも)家など瀬越の北前船主たちが奉納した船絵馬も
いくつか、さりげなく置かれていました。
もとは白山神社に奉納されたものらしい。

川のほとりに建つ大きな屋敷は、大家(おおいえ)家。
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大家家は小樽を拠点としていて、
小樽運河近くには大きな石造りの「大家倉庫」が
今も健在です。

瀬越の大家家は広い敷地を板塀が囲む、重厚な構えです。
しかし敷地内の母屋など主要部分は
昭和50年代の火災で焼失してしまいました。

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外から見るだけでも、風格ある様子がうかがえます。

ところで竹の浦館ではスタッフの方から
「大家さんのお嬢さんが喫茶店をやってますよ」
という話を聞きました。
そこへ行ってみることにします。

Chilly&Toastyという洒落た名前の店は、
お屋敷からほど近い、川沿いにありました。
(略して“チリトー”と呼ぶらしい)
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オープンスペースたっぷりの、とても気持ちいいロケーション。
開店からまだ1年足らずだそう。
しかしつい最近、雑誌で紹介され、連休ということもあって
たいへんな忙しさになってしまったらしい。
お客はほとんどが女性でした。

僕らが行ったときは先客が5〜6人だったけれど、
コーヒーだけ頼んでも30分経ってもまだ来ない。
店主がひとりで、しかもいろいろと手の込んだ
スイーツを作っているので、時間がかかるようです。

普通ならイラっとしそうだけど、
不思議と穏やかでいられるのは、
心地よいロケーションと、
忙しそうなのに朗らかな彼女のおかげか……。

その後、ようやくカウンターに座ることができました。
コーヒーをいただきながら小樽から来たことを話すと、
とても驚き、喜んでくれました。
何と言っても、大家家に縁ある地ですから。

ほんとうはもっといろいろ話したいところでしたが、
客足は絶えないので、あまり長居せずに、
川辺の店をあとにしました。
その後、瀬越の集落の中を散策しました。
Chilly&Toastyのすぐ近くにある白山神社。

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鳥居を寄進したのは廣海家の五世・二三郎。
小樽の住吉神社の鳥居を寄進したのも同じ、
五世・二三郎です。
(廣海家は二代目以降代々、二三郎の名を受け継いでいます)

廣海家の屋敷はこの神社のすぐ前にありましたが、
今は跡形もなく、空き地にソーラーパネルが
びっしりと並んでいました。
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静かな風情ある瀬越の街並みは魅力的でしたが、
先に進むことにします。
次は橋立へ。

それにしても旅先で見聞きしたものはすごく多く、
旅レポがなかなか進みません。
いったいいつまでかかるのやら……。

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by wilderness-otaru | 2019-05-17 15:22 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【2】東尋坊〜加賀 

昨日は新潟に上陸後、走ること約380km、
夜、三国に着きました。
市街地の高台にある変わった建物が目を引きます。
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オランダ人の土木技術者エッセル(だまし絵で有名な画家エッシャーの父)の設計により
明治12年に建てられた小学校の建物を近年に復元したものです。
エッセルはここ三国で港湾工事を手掛け、
そこで造られた防波堤は「エッセル堤」として現存します。

建物は龍翔館と名付けられ、博物館となっています。
早朝でまだ開いていなかったので、通過。

有名な東尋坊はここからすぐ近くです。
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いかにも有名観光地らしいにぎわい。
柱状節理の断崖が連なっていますが、
柵はまったくなく、どこでも好きなように
歩き回ることができます。
けっこう危なっかしいところもありますが、
まあ自己責任で。
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東尋坊をあとにして、石川県へと進みます。
北潟湖に沿って、のどかな風景の道です。
湖の北端近く、吉崎という集落は
蓮如上人ゆかりの地だそうで、大きなお寺があります。
ちょうど行事が行われているらしく、賑わっていました。

ところで蓮如さんって? 浄土真宗の偉いお坊さんらしい。

この近く、湖のほとりに建つのが「越前加賀 県境の館」。
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入口の階段に刻まれた
福井県 石川県 の文字に注目。
まさに県境の上に位置する建物です。
館内の展示は蓮如上人に関するものが中心でした。

ここから大聖寺川を越えると塩屋、瀬越と
加賀の北前船主の村はすぐそこです。
旅の前半のハイライト、という期待でクルマを進めます。









by wilderness-otaru | 2019-05-16 09:48 | 北海道外のこと | Comments(0)

道外遠征 北陸の旅【1】新潟に上陸、一路西へ

大型連休を利用して、久しぶりに北海道を離れて本州へ。
向かったのは北陸地方です。
加賀、能登、富山あたりを中心に1週間ほどかけて、
気ままにあちこち見て回ります。
北前船にまつわる史跡も訪ねたい。

クルマの旅なので、まずは小樽からフェリーで新潟へ。
船は「らべんだあ」、出港は17:00。
見慣れた小樽の街に、しばしのお別れです。
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ひと晩を船中で過ごし、新潟着は翌朝9時くらい。
ゆっくり寝て、起きてスタートするのに
ちょうどいい時間です。
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出港時と同じ場所から撮っていますが、
見える景色はまるで違います。当たり前か……。

新潟港って川の中にあるんですね。
信濃川の河口から少し遡ったところ。
狭いのでタグボートが寄り添ってきます。
実際に押すことはなかったようですが。

さて新潟に上陸。
帰りも新潟からなので、まずは目的エリアの西の端、
福井県三国まで一気に走ります。
距離は380kmくらい。
まあウチから道東へ行く感覚です。
高速は使わず、一般道路を走っていきます。
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海沿いの国道402号を走るうち、着くのが寺泊。
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道沿いに魚市場が並ぶエリアに出ます。
「魚のアメ横」という通称もあるそうで、
観光的に有名なところです。
魚介の種類はものすごく多く、しかも安い!
魅力的だけど、出発早々に買って帰るわけにもいかず、
食事だけして先に進みます。

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街の風景も北海道とはまったく違う。
これは柏崎市の石地という集落。
黒瓦の家並みが新鮮に見えます。
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糸魚川を過ぎ、東尋坊を通ります。
険しい断崖が連なる、古くからの交通の難所。
遠くに見える高速道路は、一部が海上の高架橋となっています。
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地形図を見ると、トンネルの多い区間で
ここだけ“わざわざ”海側にルートを曲げている感じ。
景色を見せるためなのだろうか。
海側の車線が下がっているのもそのため?
(帰路はこの区間の高速道路を走ったけれど、フェンスが高いので特に眺めが良くはなかった……)

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▲新幹線も在来線もトンネルなのに
高速道路の“わざわざ感”がよく見えます。


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展望地から海に降りる途中で
北陸本線旧線の「旧親不知トンネル」が見られます。
大正元年に開通、昭和40年まで使われたのだそう。
すごいところに造ったものだと感服。
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トンネルの中を歩けるようになっていますが、
全長667mもあるので、手軽に……とはいきません。
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海はかなり荒れていました。

この先で日没。あとはひたすら西へと国道を走ります。
金沢あたり、一般国道の8号は高速道路のような造りで
流れも高速並み。スムーズに進めました。
目指す「道の駅みくに」には午後10時前に到着。

今夜はここで車中泊とします。
明日から東向きに戻りながら、
あちこちを訪ねていきます。








by wilderness-otaru | 2019-05-16 00:11 | 北海道外のこと | Comments(0)