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〈アイアンホース号〉ブックレットができました

弊社ではこのほど、
小樽市総合博物館の敷地内を走る
蒸気機関車「アイアンホース号」を解説する
ブックレットを制作しました。
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A5判・20ページのコンパクトな冊子ですが
1909年製のこの機関車の来歴、
メカニズムなどを掘り下げて紹介する内容です。

アイアンホース号は2017年秋
ボイラーに故障が発生し、
現在は大阪の工場で修理中です。
去る4月23日には博物館敷地内の機関庫から
車体を搬出する作業が行われました。

修理に要する費用は一般からの募金で調達するため
クラウドファンディングが行われています。
博物館では、募金者への返礼品として
いろいろなモノ・コトを用意しています。

今回、弊社でこのブックレットを作ったのは、
返礼品のひとつとして使ってもらうためで、
博物館に対し、必要な
全数(400部予定)を寄贈しました。
当方でも、アイアンホース号の修復に、
何らかの協力をしようと思っていましたが、
単におカネを出すのでなく、
出版業としてできることをしようと。

この機関車に関しては、これまでに
いろいろな取材をしてきたので
その内容を紙面に活かすことができました。
掲載した写真は、機関庫内で撮られた、
一般の人が見られないアングルのものを
多く使っています。
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編集にあたり、アイアンホース号の
細密イラストも制作しました。
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このイラストと、本文で使用した画像、
計5点でポストカードも制作し、
ブックレットとセットで返礼品にしています。

このブックレットは当面、
返礼品のみとして使われます。
アイアンホース号が完全に復活したのちには
博物館売店などでの市販もする予定です。

ブックレットの内容は
弊社ウェブサイトでも紹介しています。









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by wilderness-otaru | 2018-06-19 11:16 | 出版物のご案内 | Comments(0)

トレーラーに乗った「アイアンホース号」

小樽市総合博物館の敷地内を走る
蒸気機関車、“アイアンホース号”(Porter4514)。
昨年秋、ボイラー内「溶け栓」周辺の損傷が見つかり、
運行休止となりました。

蒸気機関車のボイラーを直せる会社は
今や国内に数少なく、アイアンホースのボイラーは
大阪まで運ばれます。

溶け栓自体の修理は比較的容易らしいですが、
煙管のはめ込み部にも劣化が見られることから、
大掛かりな修理が施されることとなりました。
何といっても運ぶのが大変だから、この際にと……。

本日(2018.4.23)はアイアンホースをまず、
札幌の鉄道車両工場まで輸送。
そこで取り外したボイラーを後日、
大阪まで運ぶという段取りです。

この日は機関庫内で眠ったままの機関車を、
庫から引き出し、トレーラーに積む作業が行われます。
アイアンホースを外部に運び出しての修理は10年ぶり。

作業の様子は報道機関や関係者に公開されたので、
見てきました。
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作業はまず、機関車本体の後ろに連結される
テンダー(炭水車)を切り離すことから始まります。
炭水車は通常、連結したままなので、
容易には外せません。
水・重油・圧縮空気のパイプをまず外し、
中間連結器を解放するのは
かなり手間の掛かる作業です。
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並行して、機関車前部では、
カウキャッチャー(排障器)
取り外し作業が行われていました。
機関車本体の外装品で取り外すのはこれだけです。
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カウキャッチャーを外したところ。
違う機関車の顔に見える。
これはこれでいいかも……。
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テンダーを外したところ。
普段は見られない場所なので、
観察するのが楽しみでした。
中央が連結棒。ドローバーと呼ばれます。

太い鎖は、連結棒のトラブルに備えた安全装備。
両脇に水と燃料が各2系統。
中央にブレーキ用圧縮空気のパイプが
out、inの2本。

アイアンホース号は圧縮空気のタンクが
テンダー上に設けられています。
圧縮機は機関車本体にあるので、
圧縮空気は本体・テンダー間を
往復するというわけです。

テンダーが切り離されたところで、
機関車本体を動かします。
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車輪とレールの間に大きな鉄棒を挟み、
テコにして機関車をわずかに動かし、
あとは人力でぐいぐいと押すのみです。
一度動き出すとあとはわりとラクみたい。

機関庫を出て転車台に乗せ、
向きを変え……
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そこで再び押し出します。

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ここでいよいよ吊り上げ作業の開始。
機関車前後の台枠に吊り具を掛け、
2台の大型クレーン車で持ち上げます。

慎重な準備作業ののち、
アイアンホースは高々と持ち上げられて
トレーラーの荷台へ。
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それにしても、いい天気で良かった。
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そろりそろりと荷台の上に着地。
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これで積み込みは完了。
作業を始めてから1時間ちょっとでした。

さてこのあとは札幌まで移動です。
機関車を積んだトレーラーが走るのは
珍しい光景で、そのためにヘリコプターを
飛ばしたTV局もあったほど。

博物館からずっと小樽港沿いの道を通り
東小樽の交差点で国道に出る、と
事前に公表されていたので、
ルート上でカメラを構えた人も
少なくなかったようです。

私は築港臨海公園近くの歩道橋上で
待機していました。
何人かの知人と連絡を取り合っていたので、
12時に博物館を出たことは確認。
しかしその後、待てど暮らせど
トレーラーが来ない。
そのうち、東小樽の国道沿いで待機した仲間から
「何とか撮れた!」とオドロキの一報が。

まさかまさかの、別ルート!!
トレーラーはなぜか途中、龍宮橋へ右折して、
そこから臨港線に入ってしまったらしい。

肩透かしを食らった人はけっこういたみたい。
(博物館職員も含め!!……)
そんななかで弊社関係者が撮ったのがこの写真。
海バックでよく撮れました。
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けっこうなスピードで走り去ったとのことでした。
まあ大型トレーラーにとっては軽い荷なんだろう。

こうして見ると小さくて可愛い。
修理期間は約2ヶ月の予定だそうです。
無事に帰ってこられますように……。

そうそう、大事なお知らせです。
アイアンホースの修理には資金が不足していて、
一般からの寄付を募っています。
返礼品の一部は、弊社も協力しています。








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by wilderness-otaru | 2018-04-24 00:25 | できごと | Comments(0)

小樽市総合博物館 展示車両のシート掛け

小樽市総合博物館で、屋外展示の鉄道車両は毎年、積雪を前にシート掛けを行います。
本日はボランティアで、その作業に参加しました。もう1年、経ったのか……という感じ。
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▲車両の下でロープを結びつける箇所を探すのは、意外に大変。プラットフォームとの隙間は狭いし!
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▲これはC55 50の屋根の上。下から見る以上に高さがあり、しかも滑りやすいので気が抜けません。
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こんなふうに、普段は見られないアングルから車両を見て、スキンシップを深めるのもまた一興、かも。
今日は日中、SL列車の運転があり(団体用の臨時列車)、それを撮ったあとで博物館の作業に参加した鉄道ファンもいました。

なかなかいいプランです。明日もSLが走り、シート掛けもやってますよ。
Why don't you join us!!
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by wilderness-otaru | 2014-11-08 16:38 | 鉄道 | Comments(0)

博物館の機関車、アイアンホース号

小樽市総合博物館の敷地内を走る、動態保存の蒸気機関車、
アイアンホース号の最近の画像です。
機関庫内は一般公開されていませんが、
許可を得て、朝の機関車始動の様子を撮影しました。
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秋色の機関庫。
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奥に見える機関庫は〈機関車庫三号〉。
現存する機関庫として国内最古、美しいレンガ建築です。
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この機関車〈アイアンホース〉は1909年アメリカ、
ポーター社製。北海道初の鉄道、幌内鉄道を走った
弁慶、義経、しづかなどと同じメーカーです。

中米・グアテマラの農場で使われたのち、
アメリカ本土の遊園地などで使われ、小樽に来たのは1993年。
105年もの長い生涯のあいだに、石炭から重油焚きに改造されています。
ボイラーの蒸気を使って重油を噴霧する機構です。
ただし起動時には当然、蒸気がないので
最初だけは外部から圧縮空気を入れて重油を燃やします。
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蒸気圧を上げるまでのあいだ、機関車の点検・整備が行われていました。

この機関車の運行は11月3日まで。
今シーズンの運転はまもなく終わります。








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by wilderness-otaru | 2014-11-02 22:31 | 鉄道 | Comments(0)

博物館の蒸気機関車〈アイアンホース〉の大掃除 

小樽市総合博物館の構内を走る蒸気機関車、アイアンホース号。
この機関車の月に1度の大掃除、洗罐作業の見学に行ってきました。
まずは機関車前端の煙室トビラを開けます。
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このアイアンホースのようにアメリカの機関車は、
トビラがボルト止めなので開けるには工具が必要。
ハンドル1箇所で開閉できる近代の国産機に比べると、
手間がかかります。
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煙室の奥にある煙管内部に溜まった煤を掻き出す作業です。
先端にブラシの付いた鉄棒を差し入れて、
1本ずつ掃除していきます。煙突掃除の要領。
このアイアンホースは小型なので煙管は2m少々ですが、
これがD51クラスになると5.5mほどもありますから
大変な作業であることは容易に察せられます。

アイアンホースの煙管は、ざっと数えて100本あまり。
煤が詰まっているとブラシが通りづらく、
力を入れて押し込まなくてはなりません。
しかも下に行くにつれ中腰の姿勢になるので、
なかなか大変。
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これが煙室の内部です。Ω型に見えるのが主蒸気管。
左右のシリンダーに動力源となる蒸気を送り込む管です。
下から突き出ているのは吐出管。シリンダーで使った後の蒸気を、
真上の煙突に向けて吐き出す管です。
高圧の蒸気を吐き出す勢いで、
奥の煙管から燃焼ガス(煙)を誘い出して通風する仕組み。

煙管突きが終わったら今度は反対側、
運転室側から圧縮空気を使って吹き出しです。
焚き口戸を開け、火室の奥の煙管に
エアーのノズルを差し込んで、また1本ずつ掃除します。
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空気を吹き込むと、ぶは〜っと、
すごい勢いで煤が吹き出します。
これをまた100回あまり。
その後、ボイラー水をすべて抜き、
下に溜まった水を洗い流す作業なども行います。

蒸気機関車は運転もさることながら、
点検・整備も非常に手間のかかる重労働であることを実感。
なかなか貴重な体験でした。






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by wilderness-otaru | 2014-10-22 00:29 | 鉄道 | Comments(0)

小樽市総合博物館の車両たち〜冬に備えてシート掛け〜 (その2)

昨日に続いて今日も博物館で
ボランティアの仕事です。

今日は“大物”、蒸気機関車の
C12とC55にシートを掛けます。
SLはディーゼルカーや電気機関車と違って
煙突からドーム、運転室とデコボコが多いです。
そのままシートを掛けたのでは
上に雪が積もってたわんでしまうので、
木材などを渡して支えを作るひと手間が必要です。
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▲こちらはC12。手宮駅構内で
入換作業に従事していた小型蒸気機関車です。
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▲はい、一丁上がり!

続いて大型の蒸気機関車、C55に掛かります。
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小樽市総合博物館では通常、
展示車両の上に上がることは禁止されていますが、
今日に限っては「仕事として」堂々と
ボイラーの上も歩くことができます。
そういえば昔、幼児から小学生のころまで
〈青梅鉄道公園〉が好きで、
父のクルマでよく連れて行ってもらったっけ……。
小樽と同様、屋外に蒸気機関車を
多数展示している施設です。

明治初期の110形とかC11と8620
それぞれのファーストナンバー、E10、C51(これはのちに鉄道博物館に移設)など、
今にして思えばものすごく貴重な機関車が
集められていたのだけど、
昔は機関車の上に上がるのも自由で
好き勝手に遊ぶことができました(今はダメだろうな)
C55のボイラーに乗っかって、
昔のなつかしい感覚を思い出しました。

さて、今日は好天にも恵まれて
作業はまずまずはかどりました。
それでも展示される50両すべてに
シート掛けするのは不可能。
車両の補修、塗装なども含め、
屋外展示を維持するのはいろいろ大変なようです。

実のところ、今日は午前中だけ
手伝うつもりだったのだけど、
集まった人数は昨日の半分ほど。

途中で「じゃあこれで失礼……」とは言いづらく、
結局夕方まで働かせていただきました(笑)。
心地よい疲労を感じつつ、
家に帰って熱い風呂、続いてビールが旨い。
ま、これはこれでいいか……。







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by wilderness-otaru | 2013-11-17 19:55 | できごと | Comments(0)

小樽市総合博物館の車両たち 〜冬に備えてシート掛け〜

 屋外に約50両もの車両を展示する小樽市総合博物館。
冬期間、屋外の公開はお休みで、車両たちは
大きなブルーシートを掛けられて
冬眠状態に入ります。
 今日はそのシート掛けの作業を手伝いに行ってきました。
博物館の職員(館長も含む)
ボランティアの人たち総勢10人ほどで
作業にあたります。

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▲ED75 501の屋根。
端に木の歩み板が打ち付けてあるなんて、
知らなかった。何で木なんだろう。絶縁か? 

 普通では上がれない場所から
車両を見られるのは“役得”だけど、
4m近い高さはなかなかスリリングです。
足場も不安定なので気が抜けません。
 重いシートを担いだり、
ハシゴの上り下りを繰り返したり、
はたまた車体の下に潜り込んだりで
けっこう体力使いました。






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by wilderness-otaru | 2013-11-16 22:00 | できごと | Comments(0)

小樽市総合博物館 公式ガイドブック 新版ができました

弊社ではこのほど、小樽市総合博物館・公式ガイドブック
〈鉄道と歩んだ街 小樽〉新版を発刊しました。
3年ぶりの改訂となる今回は、従来のB5版本文48ページから
A5版84ページへとサイズをひとまわり小さく、
その分ページは増やしてボリュームを拡大し、
ハンディでかつ内容の充実を図っています。
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全体を【展示車両編】と【解説編】の二部構成としました。
【展示車両編】では、蒸気・電気・ディーゼルの機関車をはじめ
気動車、除雪車、客車、貨車など
およそ50両にもおよぶ車両を解説。
特にファンの多い蒸気機関車に関しては
多くの紙面を使い、来歴からメカニズムまで、
さまざまな角度で伝えています。

【解説編】は小樽・北海道の鉄道史が中心です。
明治13年、北海道初の鉄道が
小樽を起点に敷かれるまでの経緯、
そこからの鉄道発展の過程を、
多くの貴重な写真を用いながら解説します。
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小樽市総合博物館 本館(手宮)および
運河館(色内)の売店で販売しています。
定価840円(税込)

弊社ウェブサイトで、通販にも対応しています。





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by wilderness-otaru | 2013-04-13 13:52 | 出版物のご案内 | Comments(0)

小樽市総合博物館の車両たち

蒸気機関車C55 50の運転室。
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似たようなバルブがたくさん並んでいて、間違えはしないのだろうか……。

しないのだろう。

ユーザーフレンドリーなんて言葉とは無縁、職人の仕事場。

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by wilderness-otaru | 2012-10-18 22:42 | 小樽散歩 | Comments(0)

博物館の蒸気機関車 〜C55 50号機にまつわる“秘話”!?〜

先日は小樽市総合博物館に展示されている
明治時代の古典的な機関車
〈大勝号〉のことを書きました。
今度は、同じ博物館の車両でもより新しい、
昭和12年製の機関車C55 50について。
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この機関車は、博物館の前身である
〈北海道鉄道記念館〉の時代、
昭和52年5月からこの地で
展示されているものです。
北海道の鉄道100年にあたる
昭和55年を前にこのC55 50のほか
C62 3、C12 6の3両が
展示車両に加えられました。

 
しかしC55 50が小樽に
来ることになった経緯に関しては、
ちょっとしたストーリーがあります。

実は本来ここに展示されるはずだったのは、
同じC55型の機関車でも50号機ではなく
30号機の方だったのです。
 
このC55型という機関車の一部(計21両)は、
1930年頃に欧米で流行したスタイルを取り入れ、
曲面的な外装をまとった「流線型」という
非常に特異な形で造られています。
しかし流線型でも空気抵抗を
減らす効果はほとんどなく、
逆に点検整備に不便といった理由から
鉄道の現場では不評でした。

そのため戦後には普通の外観に戻され、
流線型の機関車は1両残らずなくなります。
しかし改造後も車体の何カ所かに、
わずかながら流線型の名残を
とどめていました。
特に運転席屋根が大きな弧を描く
丸味を帯びた形状である点は、
最も顕著な特徴です。

 
手宮に来るはずだった30号機は、
その“流線型改造機”のうちの1台であり、
その希少性こそが、この機関車を
保存機に選ばせた理由でもありました。

ところが! 
保存予定であったC55 30は、
現役引退後ほどなくして
解体されてしまったのです。
原因は、当時の国鉄内部での
連絡ミスだったとされています。

 
この大変なミスに、関係者は
30号機の解体後まもなく気付いたらしい。
そこで記念館に保存用の機関車を
搬入するにあたって取られた対応は、
何と! 残っていた同形式の別の機関車、
50号機を30号機に仕立ててしまうというものでした。

まずはいちばん目立つナンバープレートの付け替え。
さらに、機関車には分解整備などに備えて
足回りなど主要部品にも
番号の刻印を打っているのですが、
これにも手が加えられました(やるなあ……)
しかしすべての部品の刻印を
打ち換えることは不可能でした。
何より、車体の何カ所かに残る
流線型改造機の特徴は、
当然ながら容易に直しようのないものでした。

というわけで50号機から30号機への
“なりすまし”はあっさり見破られ、
結局、この機関車は“変装”を解いて、
本来のC5550号機として展示されることとなり、
現在に至っているというわけです。

「捏造」「改ざん」というと
少々辛辣ですが(確かにそのとおりなんだけど……)
まあ困った関係者の窮余の策だったと、
理解することにしておきましょう。
(以上は雑誌〈鉄道ファン〉Vol196・1977年8月号 小熊米雄氏によるレポート記事を参考にしました)

ひとつ明らかなのは、
流線型改造機などという特徴も希少性も、
鉄道の研究者やファンだけが
知るところであって、
現場の仕事に携わる人々のあいだで、
そんなことは認識されて
いなかったということです。

だからこそあっさりと解体されてしまったし、
その特徴に気付くこともなく、
安直にナンバーを付け替えればいいと
考えられたのでしょう。
鉄道で働く人と“趣味人”の
意識・視点の違いなのか……。

▼足回りの部品をよく見ると……。
C5550の上に刻印を重ねて
C5530とした跡がわかります。
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▼この部分です。
ほかにも打ち換え箇所はあるのだけれど、
錆びて見えづらいところもあり、
比較的わかりやすいのがここ。
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▲また運転室内、逆転器ハンドルなどにも刻印と、
それを打ち替えた形跡が見られます。

こうして見ると足回りの錆が気になります。
NPO法人北海道鉄道文化保存会の人たちによって、
車両の補修作業が行われているのだけど、
なかなか追いついていないのが実状のようです。
手宮は海に近くて塩害の影響もあるらしい……。
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それにしてもC55 50は
両脇にプラットフォームが造られ、
足回りが隠されてしまっているのが
つくづく残念。

蒸気機関車といえば、
巨大な動輪がその魅力の大事な要素だし、
特にC55は“水かき付き”と表現される、
独特なスポーク動輪に大きな特徴があるのは
よく知られていることです。
旧交通記念館の展示を設計した人は、
まったく知識もセンスも
なかったのだなと思います。

▼これは昭和52年4月21日、
鉄道記念館での展示のため、
当時の手宮線を通って回送される
C62 3+C55 50+C12 6。
最近発見した貴重な画像です。

先頭のDD51が牽引し、
3両の蒸機は記念館での
展示位置に合わせて
逆向きになっています。
後ろに見える大きな建物は
日本銀行小樽支店。
現在は営業していなく、
金融資料館となっています。

こうして3両の蒸機の、
手宮での展示が始まりました。
そのうちのC62 3が動態復元のため
再び手宮線を通って
小樽築港機関区に移送されるのは9年後、
昭和61年10月3日のことでした。
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【写真の複製/転用はお断りします】








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by wilderness-otaru | 2012-07-19 23:56 | 小樽散歩 | Comments(0)