タグ:穴滝 ( 4 ) タグの人気記事

穴滝 小樽の“秘境”にまつわる歴史など

当方で編集を担当する北海道新聞小樽版の別刷り
〈新 ねっとわーく小樽〉2018年8月15日号、
1面特集は『穴滝』。
勝納川の源頭部に位置するこの滝は、
大きな洞穴の上から一筋の水が流れ落ちる
特異な景観の見られる場所です。

市街地から1時間ほどで行けますが、
ポピュラーな観光地ではなく、
“秘境的”な趣のある場所です。
小樽市民でも行ったことのある人は、
そう多くないようです。

今回の特集記事でメインの画像として使ったのは、これ。
d0174510_09515544.jpg
紙面は1色刷りですが、撮影は3年前の6月、
新緑のきれいな時期でした。
滝の手前にある、
ちょっと高くなった場所から撮っています。
同行した女性が滝の近くにいたので、
「水にさわって」と注文つけました。
12mmの超広角で、見ようによっては
ドローンで撮ったような高度感と広がりになりました。

一般的な穴滝の写真というと……
d0174510_09534317.jpg
d0174510_09535976.jpg
▲このように下から撮るものが多いです。


まあこのように、景観として魅力的な場所ですが、
今回の記事では穴滝にまつわる歴史を探ってみました。
紙面にも書きましたが、穴滝は古く(明治の末頃?)から、
信仰の場となり、滝で修行する人がいたらしい。
さらには難病を患った人が治癒を願って
滝に入るようになりますが、これが大問題となります。

穴滝の下流には上水道の源となる奥沢水源地があり、
そこに病人の浴びた水が流れ込むのは大変……というわけです。
実際に病人が滝に集まっているかは定かでなく、
風評だった可能性もあります。
今よりも医療が未発達で衛生環境が悪かった時代、
難病患者に対する偏見もあったのかもしれません。

昭和7年9月1日付けの〈小樽新聞〉には、
穴滝地蔵を洞窟の外に移し、洞窟を爆破するという
ショッキングな記事が載っています。
ただし記事をよく読むと
「若し爆破が困難な場合は洞窟入口に金網を張り
絶対入洞を不能ならしめる……」
と少々“弱気”な一文もあります。
そのとおり、実際に爆破が実行されることは
ありませんでした。
昭和初期から穴滝は立ち入り禁止となったようですが、
その規制がいつまで続いたかは定かでありません。

穴滝信仰にまつわる像が、
松ヶ枝にある仏教寺院〈金比羅大本院〉にあると知ったのは、
最近のことです。現物を拝見し、住職に話を伺いました。

金比羅大本院があるのは松ヶ枝の高台。
住宅地の奥からさらに上がったところです。
訪れたのは7月下旬、
小樽でも気温30度くらいの暑さが続いたころでした。
d0174510_10262263.jpg
お寺に続く道は、両側に大きな樹木が並び
1〜2度気温が低いように感じられました。
d0174510_10280511.jpg
道沿いにはたくさんのアジサイが。
d0174510_10290271.jpg
境内の奥にある〈穴滝八大龍神〉の像。
昭和27年、穴滝を信仰する人々の寄進によって建てられ、
寺にはその名簿が残っていました。

再び穴滝の話に戻ります。
それにしてもどうしてこんな地形ができたのか。
これについては昭和13年に発刊された
〈小樽の地形と地質〉という文献に、有用な記述がありました。

文語体で書かれた本で読みにくいのですが、
要約すると穴滝のある岩壁は、
上層に硬質の集塊溶岩、下層に軟質の凝灰岩があり、
滝の流れによって下層が浸蝕され、
上層だけが残った、ということ。

ただし現在のようにわずかな水量では、
それだけの浸蝕作用があるはずもない。
穴滝のさらに上流、分水嶺を隔てて余市側に下る
畚部(フゴッペ)川の源流部の標高の高い位置に
「畚部火口湖」と呼べる湖があり、
そこから大きな流れがあったに違いない。
浸蝕によってできた穴滝の地形は、
かつてそこに大きな流れがあった証拠である……
といったことが書かれています。

調べるにつけ、単なる“奇景”ではない、
なかなか興味深い穴滝の姿が見えてきました。











[PR]
by wilderness-otaru | 2018-08-16 10:48 | 小樽散歩 | Comments(1)

真冬の雨乞・穴滝、“2滝めぐり”

ここ数年、積雪期の“穴滝ツアー”は
欠かさずに行っています。

d0174510_09455140.jpg
天神浄水場付近から林道伝いに、
勝納川の源頭部へと上がっていきます。

浄水場から先、除雪はされていませんが、
スノーモービルで山に入る人が多く、
雪が踏み固められていることがしばしば。

静かな山歩きを楽しみたい人にとって、
モービルのエンジン音と排気ガス臭は
正直、快いものではありません。

と言いつつ、モービルの付けたトレースがないと
深雪のラッセルを強いられて、
時間と体力の消費が大幅に増大します。

この日も私たちの歩き始め前に、
モービルの一団が通っていて、
新雪が降り積もったあとにも関わらず、
ルート上の雪はがっちりと締まっていました。

1時間ほど歩いたところで林道を外れ、
ラッセルして川の方に進みます。
ここにあるのが「雨乞の滝」。
d0174510_10255278.jpg
源頭部からずっと林間を流れてきた勝納川が、
ここだけは険しい崖の間を通り抜け、
落差は小さいながら、滝もあります。

滝は林道から離れ、通じる道がないため
アプローチは困難ですが、
積雪期には比較的簡単に、
滝のそばに近づくことができます。
d0174510_10293767.jpg
急斜面の下がすぐ、高さ10mほどの岩壁。
雪で地形もわかりにくくなっているので、
近づくには細心の注意が必要です。

ここから滝の近くまで下りることもできますが、
新雪の急斜面を上るのは大変で、
雪崩の危険もあるため、今回はパス。

雨乞の滝を後にして、次は穴滝へ。
再び林道をしばらく歩き、
標識の立つ箇所で、川伝いに進路を変えます。
(さらに雪が積もれば標識は埋もれてしまいます。
地形図での位置確認は必須です)
d0174510_11275058.jpg
先客(?)の足跡がありました。
林道から外れた後、
距離はわずか500mほどながら
道は川伝いの細い谷間を進みます。

d0174510_12081844.jpg
途中何カ所か川を越え、
深雪のラッセルで、
けっこう時間が掛かります。

d0174510_11315063.jpg
そして目の前に現れる氷瀑が、穴滝。

d0174510_11344489.jpg
▲夏でも水が流れる本来の滝は、
画面左端ですが、右側では
崖から流れる水が凍って
大きな氷瀑となっています。
d0174510_11371132.jpg
▲洞穴の中から。
奥に見える大きな氷柱が、本来の滝。

d0174510_11422562.jpg
▲氷柱の中では水が流れています。
d0174510_11400093.jpg
d0174510_13225345.jpg

d0174510_11402522.jpg

d0174510_11412713.jpg
冬の穴滝へはこれまで何度か来ていますが、
風景は見るたびに少しずつ違います。
氷のでき方、雪の溜まり方など
年により、あるいは見るタイミングにより
変わっているようです。


★動画も撮りました





【帰る途中に見つけたフシギなもの①】
d0174510_10082242.jpg
▲人面の雪玉。
倒木の根に溜まった雪に、目と鼻が……。


【帰る途中に見つけたフシギなもの②】
d0174510_10095433.jpg
▲この木、何の木!?
下の方はゴツゴツした樹皮でカシワのようですが、
上はスベスベでカンバみたい。
誰か教えて〜。












[PR]
by wilderness-otaru | 2018-01-09 11:56 | アウトドア | Comments(0)

久しぶりに穴滝へ

勝納川の源流付近にある「穴滝」。
“秘境”として知られるところで、
これまで滝が凍結する冬も含め、
何度か行っています。
夏の穴滝はほぼ1年ぶり。
d0174510_17404121.jpg
大きな洞穴の縁を、
ひと筋の滝が流れ落ちるという場所。
……と説明しても、なかなか現地を見るまでは、
どんなものかがイメージしづらいところです。
この日も同行者の1人は初めての穴滝でしたが、
想像していた風景からは意外だった様子。
d0174510_17480279.jpg
滝に打たれる修験者……ではなく、
滝の後ろ側に入れるのです。
d0174510_17400570.jpg
距離感、スケール感が不思議です。
人がいないと、大きさが
なかなかわからないかも……。
d0174510_17491575.jpg
滝の上はどうなっているのか、気になります。
この日は水量が少なめでした。最近、雨が少ないせいか……。
歩いたときは小雨が降っていましたが。

d0174510_22561763.jpg
d0174510_22565531.jpg
大きな水たまりでオタマジャクシを探したり、
葉っぱの上にいるたくさんのカタツムリを見たりするのも、
なかなか楽しかった。











[PR]
by wilderness-otaru | 2015-07-19 17:55 | アウトドア | Comments(2)

雨乞の滝へ 〜勝納川源流の“秘滝”〜

 勝納川源頭部にある穴滝は、
小樽市内にありながら
“秘境”イメージの漂う場所。
訪れる人はけっこういるようですが、
その手前にある雨乞の滝は、
ほとんど存在も知られていない
“秘滝”です。
穴滝に向かう林道は
川のずっと高い場所を通るため、
滝の姿がまったく見えないのが
その理由のようです。

 初めてここを訪れたのは未だ雪深い、
今年の春先のことでした。
もちろん滝はがっちりと凍り付き、
期待に違わず迫力ある風景を
見せてくれました。
画像はこちら。

 では雪のない時期はどうか……。
真夏になったら行こうと思っていたプランを、
ようやく実行に移しました。
流れのほとんどが雪に覆われる冬と違い、
夏は川沿いを進むしかなく、
困難が予想されます。
ずぶ濡れ覚悟の装備で向かいました。

 歩き始めは穴滝と同じ林道のゲートです。
閉鎖されたゲート手前のスペースに車を置きます。
(天神浄水場から先の林道はすさまじく
夏草に覆われていました。場所によってはクルマでかき分けながら進む感じ。
クルマを大事にする人は進入を躊躇するかも……)
 進むのは穴滝への林道ではなく、
南西方向に分岐するもうひとつの林道です
(こちらにも閉まったゲートあり)
数百メートル進むと勝納川を越える橋があり、
ここから川に入ります。
狭い川で河原というものは
ほとんどありません。
あってもヤブに覆われているから、
滝へはずっと川の中を歩いて行きます。
d0174510_919636.jpg

▲大体こんな感じのところが多いです。
水が冷たくて気持ちいい。
さほどの急流ではないけれど、
川底の石は滑りやすいので気が抜けない。
おおむねヒザくらいまでの
深さの部分を探しながら歩きましたが、
何か所かは腰くらいまでありそうな深みがあり、
そこではヤブをかき分けて進みました。
d0174510_9211660.jpg

▲と、目の前に現れる砂防ダム。
雪のある時期は難なく越えましたが、
今はどうなっているかが心配でした。
1つめのダムは左岸のヤブを高巻きして
わりと容易にクリア。
d0174510_9253986.jpg

▲ダムの上流は沼のようになっていて歩きやすく、
しばし癒されます。
ま、すぐに以前と同じ急流に戻るのだけど……。
だいぶ進んだところで2つめの砂防ダムへ。
こちらは少々手強かった。
ダム手前の斜面が切り立った地形で、
しかもヤブが濃い。
草の根っこを掴みながら
何とか這い上がってようやくクリアです。
ここを過ぎると目指す雨乞の滝は近いはず。

 両岸の岩がにわかに迫ってきて……。
あ、見えてきた!
d0174510_9332881.jpg

d0174510_9353211.jpg

 岩の隙間は2mくらい。
高さは10mもあるだろうか。
一体、なんでここだけ
こんな地形になったのか、
フシギです。
岩の中は明らかに気温が低く、
ひんやりとして肌寒いくらい。
滝の手前は深く落ち込んでいて、
これ以上は近付けませんでした。
d0174510_1784889.jpg

 撮影アングルが限られるのが少々もどかしく、
今度は上から滝を見下ろす場所を
探してみます。
左岸にやや緩い箇所を見つけ、
そこからまたヤブと急斜面との闘い。
d0174510_949283.jpg

 写真では大きさ・高さが
わかりにくいかもしれないけれど、
水面からは10mくらいあります。
どこからが崖かもわかりにくいヤブで
緊張しました。

崖っぷちに立つ木の根元にしがみついて、
何とか撮ったのがこれです。
 ここまではすでに滝から
けっこうな高さを登ったので、
もうそのままヤブを掻き分けて
林道を目指すことにします。
そこまでの困難さに比べれば、
大したことはなく、わりと簡単に
林道に出てひと安心
(ただし逆に林道から雨乞の滝まで
簡単に行けるかといえば、そうでもない。
場所の見きわめも、ヤブの急斜面を下るのも
容易ではありません)

 林道に戻ってひと安心。
せっかくだからと、このまま穴滝にも
“お参り”することにしました。
 この日はもう足元ずぶ濡れだから
、気兼ねすることなく水にざぶざぶ入り、
水しぶきを浴びながら“夏らしく”、
がしがし撮って帰りました。
d0174510_102423.jpg

d0174510_1035290.jpg

d0174510_107980.jpg







[PR]
by wilderness-otaru | 2014-08-16 10:11 | アウトドア | Comments(0)